陽月
Sun and moon

十二月のとある一日の出来事
太陽は月に話しかけた
「君は、さまざまな顔を持っている。
さまざまでいて、その全てが美しいという事を教えてくれる。
とても不思議な存在だ。」

すると、今度は月が太陽に話しかけた
「君は、全てを照らしてくれる。
存在の全てを教えてくれる。
分け隔てのない大きな存在だ。」

そして、月は太陽に話しかけた
「君の存在を知って、初めて、暗闇の世界に、光と影を見る事が出来たよ。」

すると、今度は太陽が月に話しかけた
「君の存在を知って、初めて、真白な世界に、光と影を見る事が出来たよ。」

十二月のとある一日
太陽と月はお喋りしている

詩 川井有紗